赤系の革靴はどのクリームを入れるか迷う時があります。
赤と一括りに言ってもエルメスレッドやマホガニーの様に色の中に赤みが強い、茶(褐色)が強いなどもあります。
あるいは色が褪せてバーガンディーに見えたり、意外と難しいのです。
クリームというのは薄い色でも染料ならば靴が染まってしまう為、安易にクリームを決めつけて使用するのは危険です。
今回は、そんな繊細な赤をどうすればいいのか?を書きたいと思います。
- 赤系のケアについて
- BeStart流ケア方法
- BeStart監修クリームのご紹介
コンテンツ
赤系の靴はクリームに注意
赤系の靴というのは、色味に癖があります。
冒頭で記載したとおり、並べたら赤系でも「茶、オレンジ、紫」などの色味が強い物があります。
ケアをする際に乳化性クリーム、油性クリームでケアすると思いますが着色性の強さ関係なく染料の場合革が染まります。
革が一度染まった物に対して各メーカー同じ名前で出てるクリームでも色味が異なりますので、色々合わせすぎると靴全体がおかしな色になりますのでクリームには十分注意が必要なのです。
これは赤に限らず全ての色に言えますので覚えておくと良いかもしれません。
靴をケアする前に重要な事があります。
職人はお客様と話してる中で靴の完成形をイメージしたり、もしくは手にとって見た段階で既に仕上がりイメージが頭の中で出来上がっている事が多いと思います。
一般の方の様にケアしたらピカピカにこの様になりました!ではなく。
「仕上がりをイメージして、その仕上がりに近づける為に一つ一つのケア(準備)をしていくと思います」なので再現精度が高いのです。
職人などに靴を預ける方もどの様にして欲しいのかはっきり言った方が的確にアプローチしてもらえますよ!
一般の自宅でケアされる方へ
新品の靴でも中古で購入した靴でも、靴の色でクリームを決めるよりも実際にどの様にしたいのかを決めてからクリームを購入した方が良いです。
例えば、マホガニーは赤茶ですが茶系が強い物があり、有名なので言えばトリッカーズのマロンはまさに赤茶です。
色味に個体差はもちろんありますが、発色が強い色味はクリームを間違えば見た目が大きく変わってしまいます。
なのでクリーム選びは靴の色味をどの様にしていきたいのかを考えましょう!
赤系の革靴の手入れ実践編
こちらBe Startで最近お預かりした靴です*エドワードグリーン
見ての通り色褪せております。
今回の靴を軸にBe Start流に書きます。
靴をどれくらいのペースでケアしているのか?は関係なくBe Startでお預かりした物は毛穴の汚れ(古いクリーム)をしっかり落とします。
正しく行えると靴の履き心地や艶の出方が雲泥の差です。
汚れ落としをしっかり行った後にリッチモイスチャーを使います。
Be Startではお客様に靴をどうしたいのか?必ず伺います。
この状態で濃くしたいのか?明るくしたいのか?は特に重要で人により様々です。
クリームについてはBe Startでは指定が無ければ基本Brift Hのクリームを使います。
Brift HのTHE CREAMは靴に合わせて調色されているんです。
BeStart監修「ルビーレッド」
2019年よりライオン靴クリーム本舗の製品アドバイザーを務めることになり
エクセレントクリームミニからルビーレッドという色を出させて頂きました。
このルビーレッドは高級靴にも対応できるように意識しました。
「この赤が欲しかったんだ!」と思って頂けると思います。
使用例
より深みが出ています。
まとめ
赤系の靴をケア
- クリームはカラーの名前だけで買うのではなく靴をどうしたいかを優先する。
赤系に限らず、靴の色をどうしたいか?というのは重要です。 - 各メーカー同じカラーでも色味が異なる。
これは非常に重要な事で、各メーカーのクリームを混ぜてもらうと分かりますが色が変わる場合があります。
なのでクリームを複数持っている方は十分気をつけてください。
あとがき
今回は、あまり情報が多くない赤系について書きました。
少しでもこの記事がお役に立てれば嬉しいです!
染料だけでなくアーティストパレットをうまく組み合わせアレンジしても良いかと思います。
顔料の場合は染料と違い、色を表面に乗せてるだけなので落ちます。
[getpost id=”1068″ target=”_blank”]
ワックスで鏡面磨きを行う際、仕上がりにアーティストパレットを少しずつ足して水研ぎして磨くのもオススメですよ!
では、良い靴磨きを楽しんでください!